BT8992より。最終ページ「あとがき、でも酒呑み日記」

10月3日土曜日 新規分撮影→六本木・パブ→西麻布・バー
(バーボン1本 その他、この期に及んで飲酒量不明)。
 大体、表紙とカラー17頁分の撮影とインタヴュー5本を一日で済まそうという私が甘かった。
そもそも5人が揃ったのが18時なのだから、3日という日は6時間しかないのだ。
はい、朝5時半までかかりました。そそくさと身づくろいを済ませて私は去ろうとした。
その時、何者かの氷のように冷たい視線を背中に察した。
心をえぐるような殺気に満ちている  まるで飾り職人の秀かゴルゴ13が、暗闇に潜んで私の命を
狙ってるかのような。
今井っ、微笑みながら人の一挙手一投足を眺めてるんじゃねえ!何か喋れ何か。「呑みますか?」。
101回目の予定調和である。

10月6日火曜日 櫻井追加インタヴュー→六本木・バー→パブ→西麻布・バー
(102回目の予定調和と言うしかない飲酒量)。
 3日インタヴューで桜井が”予感”を自らの最高作と思ってる事が判明、急遽追加取材する事にした。
待ち合わせ場所のバーに行くと 何でアニイと星野とユータと……今井が今井が今井が今井が今井がいるんだよお!?
気を取り直して個室でインタヴューを始めようとするも、いろいろ話してるうちに二人共気が滅入って中止決定。
結局、単なる呑み会と化してしまった。
場は何かスポーツのチームをB-Tと私で結成しようという話で盛り上がり、野球とサッカーのチームを作るとこまで
進んでしまう。
「俺は格闘系に持ち込んじゃあ強いですからねえ」と櫻井。「今井は運動神経皆無そうだもんなあ」
「いえ!球技は得意なんです俺」。
誰が信じると思う、あのステージでのリズム感ゼロの変てこ踊りを見て。

10月8日木曜日 取材関係無いけど呑み→渋谷・割烹居酒屋→今井宅(ビール14 日本酒8合 バーボン1本)
 ロッキングオンJAPANの取材を終えて、パタと11時頃まで呑んでるうちに
今井との呑み約束を思い出して、慌てて二人で今井宅に向かう。
既にテーブルの上には水炊きの鍋が鎮座ましましている。マメな奴よのお。
べげべげ呑んでるうちに、ユータが乱入。
この日今井はめでたくドラクエVを終了させたわけだが、まだ始めてないパタは
ラストシーンを目の前で目撃してしまい、脳死状態と化していた。
そのままファミコン大会に突入、我々は何が哀しゅうて酒呑みながらこんな事せにゃならんのかわからんけども、
朝の4時から9時迄桃太郎伝説llやってるのであった。だから何?

10月22日木曜日 今度こそ櫻井インタヴュー→都内・某ホテル・バー→(中断)→六本木・パブ→西麻布・バー
(魑魅魍魎)。
 櫻井の行方不明状態と私の英国出張の為に、ようやくこの日インタヴューが実現する。
そのまま11時迄落ち着いて呑んでたのだが、櫻井はビデオ CLIMAX TOGETHER のSEレコーディング中の
今井達の所に行かねばならず、お開きにする。実は私も膨大な原稿を溜めてる為に会社に戻らねばならず、
非常に分別のある呑み会である事を二人して讃え合った。櫻井が言う、「昨日今井の誕生日で、今日はきっと……」。
うぎゃごぼぎゅえっ。その瞬間、103回目の予定調和が見えた。
 夜3時半、(電話マーク)がない事に安心した私が出口に向かった途端に、鳴った。
そして私は結局参加する羽目となるも、今日ばかりは強い意志をもって臨む。「6時になったら帰るからな!」。
ちょうど2軒目に移動する時、6時になった。走って逃げようとする私に両足タックルするアニイ。
「今井ーっ、今だあ」。何が今だあ、かね。「わかった。その代わり、1時間俺に喋り続けろよ」「……」。
そして2軒目、今井は必死で15分喋ったあげく地蔵と化した。ラッキーとばかり立ち上がった私の腕に
すがりつき頬をすりすりする今井を見て、こりゃ慰謝料が高くつく女だな、と思った私であった。
 こうして、「BT8992」は完成しました。あん?
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