音楽と人−1997年10月号 表紙:サニーデイ・サービス

 市川哲史の酒呑み日記−86
「仙台・大阪・名古屋・そして福岡、の巻」

 7月3日木曜日。仙台・メキシコ料理屋→同・キャバクラ→同・バー(おいおいこまで呑むかい酒)。
 BJC仙台ライヴを観に行き、終演後ホテルロビーで取材――一同の脳裏は既に酒と食い物一色で、
呆気なく終了させて飯喰いに……うわ、この猛暑なのにメキシコ料理かあ? しかも店の冷房が
故障、ぐわぎょえと呻きながら、一気に喰う。そして2軒目に私とベンジーと照井で先発して行くと、
そこはミニスカパブ! しかもブスばっかだぞ。私も含め全員こういう場所は苦手で、特に
照井が怒ったらどうすんだ的な恐怖もつのり、私とベンジーが気ぃ遣って積極的に喋ったりなんか
した。が、その照井が上機嫌でがんがん喋ってたりなんかして、もう、一寸先は闇かこの世は。

 7月20日日曜日。名古屋・カラオケ屋→同・味噌煮込うどん屋(後ろ髪ひかれ酒)。
 前日、大阪でSUGIZO主催のアブストラクト・デイを観るも、私は原稿を膨大に抱えておりホテル
缶詰(爆泣)。そしてこの日は名古屋で夕方6人大集合取材である。私は東京に帰らねばならなかった
のだが、「せめてメシでも」というSUGIZOの誘いに乗ってしまう。メシ時間まで、土屋さんと
ホテル近所のカラオケ屋のテラス(!)でビールを呑む。この日は大相撲名古屋場所千秋楽に
K−Iナゴヤドーム決戦が重なって、ホテルは力士やら何やらで大混沌――どっかの相撲親父が
興奮し過ぎて昏倒、救急車で運ばれてく光景を私と土屋さんは何故か「ありがたやありがたや」と
合掌しながら見送ったのであった。
 その後、名古屋名物味噌煮込うどんを喰いに全員で出かけるも店は超満杯で、バラバラに座る事と
なる。離れ離れになったジャンセンが不安そうな顔でうどんを見つめていた。結局、執拗な
「泊まって呑みましょうよお」攻撃を振り払って帰京する。少し私も大人になった。

 7月31日木曜日。福岡・郷土料理居酒屋→同・屋台(日本酒三昧)。
 スクーデリア・エレクトロの取材で福岡に飛ぶ。前日、撮影絡みで結城達と3軒ハシゴ酒
してるはずの古田なのだが、異様に元気が良い。「いやぁ昨日呑んだ泡盛美味かったわー」
俺の顔見るなり酒の話かい。
 この日もライヴ後楽屋で取材をとっとと済ますと、一気に繰り出す。馬刺がやたら美味い。酒も美味い。
しかし「てつしぃー(v)」と石田がやたらうるさい。ここで話は石田の実家である電気工事店の
話を発端に、上京した頃の石田がいかに優れた肉体労働者だったか、で盛り上がる。それが嵩じて
駐車場を自分でドリル操って造っちゃうという、未だ肉体癖が抜けない石田であった。
 気がつけば深夜2時、前日からまるでツアー搭乗員の如く「あの店のラーメンは美味い」だの
何だのと人を案内したがる石田の野望を打ち砕くが如く、既に彼御推奨の屋台軍団は悉く閉店となり、
彼は一人悶々とするのであった。結局ラーメンと肝刺し喰ったけどね。

 8月1日金曜日。新宿・リキッド→渋谷・超大衆居酒屋(幻酒)。
 KEN主催イベントで呑む。呑む。呑む。例によって詳細は次号!

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