「音楽と人」97年7月号 市川哲史の酒呑み日記83 これが英国だぁーっっっ、の巻 4月10日木曜日(現地時間)。 ロンドン・SUGIZOスタジオ(未遂酒)。 夕方、SUGIZOをレコーディング中のスタジオに訪ねる。 本文でも触れた通り、相変わらず延々のコンビニエンス状態が続いているようだ。 皆、死んでいる。メシを食いながらジントニックを呑んではみるものの、地味ぃな世界である。 結局朝4時までスタジオで『超人ハルク』を一人で観る。 おいおいSUGIZO、朝焼けと共に理想を熱く語るんじゃない。 4月11日金曜日(現地時間)。 ロンドン・居酒屋(花も無いのに花見大酒)。 オフでロンドンに単身遊びに来ているTAKUROと待ち合わせる。 JIROも別に来ていたのだが、どっかに遊びに行ってて行方不明。おいおい。 (電話)「じゃあ13時にピカデリーのタワーレコードで逢うか。あそこならわかるだろ」 「せっかくロンドンに居るんですから、エロスの像の前にしましょうよ」「でえー!!」。 欧州の田舎者と日本人団体買物客しか待ち合わせしてないぞ。恥ずかしぃー。 さて、私はエロスの象前−−−TAKUROが来るまで、私は4回も記念撮影のシャッター頼まれたぞ。 しかも何故か全員外人だ。何だ俺は。とりあえず我々は黙ってすぐ側の日本料理屋(←ほとんど居酒屋) 「HOTEI」で大昼酒。すき焼き日本酒揚げ出し豆腐焼鳥生姜焼枝豆焼おにぎり−−− 美味くは無いがとりあえず愉しい。ちなみにTAKURO、ビジネスクラスに乗る為に フランクフルト経由の便で来たらしいのだが、ドイツでの待ち時間、 ビールが呑みたかったのに言葉が分からないわ、決死の思いでポンド出したら「使エナイ」と言われ、 1時間以上呆然としてたら外人がドルで支払ってるのを発見! 「いやあその時のビールが美味い事ったら(はーと)」。 すっかり猿岩石状態のTAKUROだが、何故ドルを持ってたんだ? 「何があるかわかんないじゃないですか。余ってた外貨全部持ってきたから」。 うーん、偉いんだか偉くないんだかわからん。 4月12日土曜日(現地時間)。 ロンドン・パブ→同・クラブ(疲弊酒)。 夕方、SUGIZO+土屋さんとジャンセン+バルビエリ+カーンのライヴを観に行く。 開演前、楽屋側に居たら何故か主役ex JAPAN組勢揃い。 久々の対面なのだが、バルビエリが「君モ呑ム?」。 おいおい呑んでんじゃねぇよ早く始めろよ。 俺はすぐミッシェルのライヴ観に行くんだっつーの。だから外人は…。 1時間だけ観てカムデンのパブへ−−−TAKUROと待ち合わせてミッシェルを観る。 TAKURO「いやー格好いいですよねー。俺たちも演ってみたいっスよ」。 確かに血が騒ぐもんな。ウエノにTAKUROを紹介すると、「あ、TVで見てます」。 謎の挨拶だ。明日パリに一人旅という事で、TAKUROは早々に退散。 ヒッチハイク頑張れよ(←嘘)。ライヴ終了後は、ミッシェルの4人と共にクラブに乗り込む。 時間はもう深夜、ウエノ+アベ+クハラ+私が疲弊する中、チバは最後まで満面笑みであった。