音楽と人3月号 
酒呑み日記no.55 逃亡者、の巻 

私が小学校高学年の頃だろうか、人気洋画はパニック映画一色に染まり上げていた。 
操縦士不在のまま大型旅客機が着陸を試みる『エアポート77』、炎上する世界一の 
超高層ビルからの脱出を試みる『タワーリング・インフェルノ』、そして沈没する 
豪華客船からの生還を図る『ポセイドン・アドベンチャー』---以降、この3パターンを 
基本形として地震やら落雷やら何やらからひたすら生き残る映画が死ぬほど生まれた。 
ほとんどがC級以下でやがて消滅したが、私はまさにパニック映画再び状態で94年歳末に 
臨んだのであった。毎日3本はあるライブ群の打ち上げから、どうやって逃げるか!!?? 
必死なんですから本当に。 

12月14日水曜日(未遂1号) 
BMG関係者+ISSAYとソロの打ち上げ呑み会の予定があるも、原稿地獄で行けず。すまん 
すまんすまん。 

 12月16日金曜日。高知・郷土料理店→同・バー(美味しい酒と美味しい料理。極楽。) 
レコーディング徹夜の橘いずみと原稿徹夜の私は、午前中に高知に向かう。 
ノーギャラにも拘らず、冬の高知が誇る美味しいタダ酒とタダ肴につられて、我々は 
FM高知の番組出演の為に飛んでしまったのだ。「今日だけはすべてを忘れて極楽を 
味わいたくて」「そうそう」。まず到着と同時に美味しいうどんを食って、既に 
幸せ満喫の私。あ、番組にメッセージ頂いたSHOTA+ヒーセ+真矢+MIKAおばさん+ 
CHARA+BJC御一同+YUKI+KYONO+YOUの皆様、ありがとう。夜は・・・極上の 
鰹のタタキ攻撃に幸せ満喫の私と橘。翌日も仕事だが幸せ満喫の橘と私。 

 12月19日月曜日。渋谷・割烹居酒屋→同・バー(♪どんどんどんがらがった酒) 
 取材が終わったら冬の陽はつるべ落ち、おおー呑むしかないじゃん、この状況。 
GLAYのTAKURO&HISASHIと呑んでしまう。打ち上げ脱出ばかり警戒し過ぎて、 
取材後の俺は隙だらけだったー!! 

 12月23日金曜日(未遂2号)。 
 深夜原稿書いてたら、今井寿からTEL。「明日Xマス会演るんですけど来ませんか?」ぐわ。 
「マッドも来ますhideクンも誘いますJも誘います」ぐわぐわ。 
「おまえ作曲期間中だろうが」「5年降りに湯水のように曲が出来てます出来てます」 
「また呑むために嘘までついて」「本当です本当です本当です」。結局、仕事で行けず。すまん。 

 12月25日日曜日。新宿・バー→青山・中華バー→恵比須・バー(畜生呑んじゃったい酒)。 
 幸宏さんライヴ終了後、SOONの取材。会場の下で待ってたら、出演者及び関係者に 
逢いまくる。幸宏さんに慶一さんに森雪之丞さんに高野寛に……しかも皆言う事は一つ、 
「打ち上げ会場で逢えるでしょ?」。行きゃいいんだろ行きゃ。 
ちなみに深夜遅れて行ったら、幸宏さん既に屍でした。 

 12月27日火曜日(未遂3号)。 
 LUNA SEAの打ち上げぶっちして原稿書いてたら23時にJ、25時にSUGIZOからTEL。無視する。 

 12月29日木曜日(未遂4号)。 
 LSDイベントの楽屋でベンジーあ、「市川さん明日身内で忘年会やるで来てやあ!」。 
あのー、場所教えてくれないと行けないんですけども。 
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