94年8月号音楽と人 ISSAYソロ録音日記 マル特 遂にISSAY9月21日発売ソロ『FLOWERS』完成!手前ミソながら 格好いいっス。来月大特集しますが、まずは録音日記抜粋を―。 5月13日金曜日(6日目/大森) この日から豪華ミュージシャン陣が加わる。ex.ZI:KILLのKENは 今回6曲も弾くという、もはや固定ギタリスト状態。デルジの同僚 HALは「デルジより愉しそうじゃん!」とISSAYを揶揄しながらも、 自分も愉しそうだ。”恋のハレルヤ”はKENとB-T星野英彦のツイン・ ギターが聴きどころなのだが、その星野いきなり2時間遅刻! 「おまえは今井寿かあっ」「違います、マネージャーが遅刻して」。 やはり難儀な集団である。 5月15日日曜日(8日目/大森)。 マッド・カプセル・マーケッツの「炸裂リズム隊」CRA\とMOTOKATSU 参上、2日間で3曲参加して貰う。目が凶暴そうなCRA\と極真空手 習得中のMOTOKATSUなだけに、妙に皆ビビっている。特に若手ロック バンドとほとんど面識の無い慶一さんは、ゲストが来る度に怯え、 この日は打ち合わせしてるにも拘らず、終始目線を相手から外して るのだった。さすが元祖モラ。 5月30日日曜日(15日目/青葉台)。 夕方、hideが作業中の別スタジオをISSAYと訪ねる。”いとしのマックス” はhideのソロバンドのメンバー、D.I.E.+I.N.A.+hideによる大ボコボコ 打ち込みサウンドで、hideは10本以上ものギターをダビングしまくって いた。「愉しそうだな」「例によって人造人間作ってるよ。でも現場見ちゃ 駄目だよ、鶴が機織してるんだから」。はいはい。 鶴のhideを残して、我々はB-T櫻井敦司と合流。彼は前日海外旅行 から帰国の疲弊状態ながら、異常に盛り上がっている。”恋のハレルヤ” をデュエットするのだ―業界初の同性愛デュオ!「俺こういうのが 唄いたいんですけど、B-Tじゃ誰も作ってくんなくて」。そうだろうそうだろう。 22時、LUNASEAのSUGIZOが見学に来る。「参加する前のご挨拶 がてら」、律儀な奴。23時、終了してISSAY,SUGIZO、櫻井と寿司屋に 呑みに行く。その後Jが合流、24時にはhideが完成したディスクを 持って登場する。私が聴き終るのをビール呑んでニソニソして待って るhideだ。「目茶目茶で格好イイな」「だって鶴だもん」。 結局、店にあった酒を全部呑みつくして次の店に―何だ、ビール46本 と酒2升って。私が人柱となって翌日唄入れのISSAYを途中で逃がす。 プロデューサーって辛い。 6月8日水曜日(23日目/青葉台)。 15時、”朝まで待てない”のヴァイオリンをSUGIZOに弾いて貰う。 「全然考えてないんですよ」と言いながら、己の野望を次々と弾き まくるSUGIZOに、「偉大なるこざかしさ」を見た。21時には”あかずの 踏切”用の「デカダン暗黒少年合唱団」コーラスで、黒夢の清春+ リディアンモードのSHINYA、ヴァレンタインDCのKen-Ichiが参戦。 3人共コーラス初体験で、ブースの中でいちいち「俺失敗」「俺達 これでヴォーカリストか?」と悩んでる姿が微笑ましい。清春が ぽつりと唄った橘いずみ、「あなたは失格!そうはっきり言われたーい」 に、全員何故か心を洗われるのであった。