---------------------Rockin'On Japan 1992.8(場外乱闘)--------------------- 
酒呑み日記「魔界転生」編 
 やっと連載も終了したというのに、これは一体何なのだろうか。おーいっ! 
 6月9日火曜日 大西洋上空→渋谷・居酒屋→同・居酒屋2→同・居酒屋3→ 
六本木・パブ→西麻布・バー→都内・今井宅(あん?)。 
 詩人の血と共に、ロンドンから一路東京に戻る。機内が非常に空いていたので、 
一人1列分の座席を確保して死ぬほど呑む。俺はジントニック8杯とワイン4本は呑んだな。 
ほとんど農協のオっさん状態ではあるが。あげくの果てにはエピックのディレクターと 
機内の免税品販売でナポレオンを買い、その場で呑みつくすという暴挙にも出た。 
日本人ってなんと嫌な人種なのだろう。俺か。 
 正午に成田に到着。とりあえず荷物を家に置き、エッグマンに向かう。 
ロージーロキシーローラーのライヴで、しかも寺西がゲストに出るのだから 
行かざるを得まい。眠いな。酔いも醒めてないな。武内、小畑の両名と例によって 
「ひいーっ」「やめてーっ」と目を覆いながら、一人舞い上がり状態の寺西の 
すべりまくるギャグを観る。途中、大槻もやって来る。アンコール前目ざとい客に 
見つけられ、遠くから「ボヨヨーンボヨヨーン」と唄われてる。 
「おまえまだこんな目に遭ってるの?」「慣れましたよ、もう。はは。」力無い笑いである。 
 終了後、打ち上げに行く前に小畑・武内・大槻を連れてウォーミングアップがてら、まず呑む。 
エッグマンの前で武内が「市川さーん」と呼ぶと、小畑が慌てて「人前で名前ゆうたらあかん。 
正体がバレたら大変な事になるで」と説教する。ミュージシャンに気を遣って貰うのなんて、 
私ぐらいのもんだろう。わーはーはー。
 1時間遅れて打ち上げに合流。寺西は相変わらず舞い上がっている。バキバキ呑んで3軒目に。 
私とロージーの世良だけ場所を聞いておらず、二人ハチ公の前に取り残される。 
既に超睡眠不足+時差ボケ+泥酔状態の私は怒り狂うも、おそるべき野性の勘で 
見事に合流を果たす。 
もうこの辺から記憶は定かではない。その次の店でユータと今井を呼び出し大騒ぎするも、 
途中で地蔵と化す。朝6時、またまた店を移動。人々の証言によると、 
私は六本木の交差点で寝るわ、西麻布では武内が「平気で歩いてるなー」と思って 
眺めてたら、突如すっ転び慌てて助けに走ってくれたらしい。 
「ハッキリ言って、市川さんが主役の日(キワコ・談)」 
 今井は私と武内の荷物持ちに徹してたという。店内ではビールのグラスを8個ほど破壊し 
料理に手を突っ込んでいたという。盟神深湯やってんのか俺は。しかしあの武内に 
ずっと介抱されていたとは……現代の鶴の恩返し、傘地蔵は実在した!と 
東スポなら書くだろうなあ。 
「今まで人に世話はされてもした事無かったから、私にも出来るんやー(ハートマーク) 
と思っちゃったよー。偉いー(ハートマーク)(武内・談)」 
 そして今井宅に運ばれるが10分寝たら見事に目が覚め、しかも地蔵状態から生還して 
結局昼の12時まで呑む。おお、13時から俺はベンジーの取材があるんだあっ。 
今井宅を出る。ハッキリ言って、すんっげえ気持ち悪い。道路を這いながら会社に辿り着き、 
やって来たベンジーを見たら目の回りが異常に赤い。「朝まで呑んどったんだわー」 
「俺も俺も」。そして我々二人はテーブルにうつ伏せながら、だらだらと 
インタヴューしたのであった。げー。 
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