市川哲史の「忙しいんだから呑ませないでくれよ」酒呑み日記34
お願いだからさ、の巻

4/5BUCK-TICK
1/1田所豊
1/1小川清史
2/4すかんち
2/4Ｘ
1/5レピッシュ
2/4THE VINCENTS
3/5SHOW-YA
3/3THE BLAKEY JET CITY
1/4MAD CAPSULE MARKET

　2月18日火曜日 六本木・パプ→同・ゲームバー（バーボン(1)本 その他未確認カオス状態)。
　(先月号から続いた)。先月号表紙撮影後の予定調和で今井、櫻井と呑む。例によって
例の如くである。ばーばー呑んでると，今井が「次行きましょ行きましょ行きましょ」と
餓鬼のように誘うので、朝４時頃バクチク号で移動する。ところが、店の前に着いてふと
横の今井を見ると金髪のお地蔵様が１体、椅子の上に置かれてるではないか。雪の日に今井に
傘を被せてやると、地蔵が米俵持ってやって来るのだろうか。てめえが行こうと言ったんだろーが。
仕方無いので、地蔵をそのまま車の中に保管して店に入る。何じゃこの店は。サロン風の
立派なバーのくせに、何でファミコンを置いてるんだ? 先に到着してた櫻井は既にバーボン呑みながら、
ファミコンに興じている。ああ、狂った太陽。結局、５時には店を出たのだが，車を覗くとまだ
地蔵が鎮座ましましてる。腹が立ったのでクッションで横っ面を8往復殴ったが、生体反応が
無かったのは言うまでもない。
　後日今井に訊いたところによると、"その後自宅に地蔵のまんまで輪送され起きたら朝８時。
「何で市川さんとアッちゃんは来ないんだあ?　２軒目来ると言ってたのに」と悩んでたらしい。
おまえにはメモリー機能は無いのかこら。

　2月25日火曜日 都内・小料理呑み屋→同・ユカイ宅 (ビール(3) 日本酒(8) テキーラ1/2本バーポン1/2本)。
　シャケとユカイとキヨシから（電話マーク）。ユカイ邸付近で呑む事にする。
シャケは翌日帰米するのでノッコの為に欠席となり、3人で呑む。「この店はさ、人には
あんまり知られたくないから教えないでね」と言われながらそのユカイ秘密の呑み屋に行くと、
いきなりキャニオンの連中とバイセクシャルが出て来る。「あれ？」哀しい男である。
　大いに盛り上がって、そのままユカイ邸に雪崩れ込む。掃除と整理が行き届いた部屋だ。
几帳面な男だったのか。呑んでるとユカイがニコニコしながら、テキーラとレモンを持って来る。
そう、何とかの一つ覚えのテキーラのイッキである。5、6回は呑んだろうか。しかしイチイチ
灯りを消して蝋燭を灯すことはないと思うんだけどなあ。結局朝方キヨシは帰り、私は一泊する。
12時頃ゴトゴト音がするので目が覚めた。ああ、寝てる私の周りをユカイがせっせと掃除してるわ。
几帳面なのはよくわかったからさあ。

　2月29日土曜日 渋谷・料亭居酒屋→下北沢・吟醸酒居酒屋（コンパクト君)。
　80頁掲載のラヴミサイル終了後、武内&小畑と呑む。無論ネタは寺西と田中である。
そう言えばライヴ終了後に、ヤンマガの女編集者を紹介されたのだが、「ロッキングオンの市川です」
と名乗るなり「ああ！　あなたがキング・オブ・すかんちさんですね（ハート）」。
私は他の業界で一体、どう思われてるのだろうか。

　3月2日月曜日 都内・ホテル→六本木・パプ（ワインにバーボンにえーとえーと知らん)。
　別件でヨシキと呑み、朝3時過ぎに六本木に移動する。すると酩酊マグミが居て、
「市川さん！　今なら何でも喋りますから！！」。誰か縛っとけっ。１時間ばかし呑んで私は
ＷＣに入った。出てきたらヨシキは居なかった。「わははははは」、誰かマグミにサルグツワだサルグツワっ。

　3月3日火曜日 原宿・ライヴハウス→同・バー→西麻布・パー（無両大数）。
　本誌カメラマン「変な外人」ブルーノの結婚式だ。私は発起人兼司会である。
デラックスの宙也に秀樹、ユータにアニイに星野、ワイルド・フラッグ御一同様、
ヴィンセンツの川上と荒井――賑やかな布陣だ。新郎のたっての希望で、ＳＭレズビアン・
ストリップ・ショーまである。ショーが始まるや俯いて、「駄目ですよこんな事演っちゃ」
という荒井の潔癖さも凄いが、割り箸に千円札挟んで踊り子さんのパンティに突っ込んじゃう
川上のジジ臭さも凄い。よく同じバンド演れてるなよなあ。
　終わった後ユータが私に言う。「アレ、中村京子ですよＤカップで一世風摩したあのっ」。
詳しいなあおまえな。「任せてくださいよ」。はあ。本来ならばここでバクチクが、
ノンエフェクターで”スピード”を披露する暴挙に出るはずだったのだが、寝坊で遅刻した今井が
来たのはお開き30分前。櫻井に至っては行方不明だ。わははは。ブルーノが来て、「SHOW-YAが来テルヨ」
と言う。そんなはず無いよ、今ＬＡだぜ。ありゃ? 五十嵐と仙波と角田が居るわ。
「ＬＡ延期になっちゃって。それよりも私身体回復したから。バンバン呑みましょうよ」と五十嵐。
皆自分の事しか考えんのか。
　２軒目に移動して，ようやく行方不明の櫻井と仕事が終わったＸのヒデ登場。櫻井にどこに
居たのか問いただすと、「昨日の夜中から車飛ばして伊豆半島の先まで行ってたら，そのまま寝ちゃって」。
３軒目となると、新郎新婦も既に不在だ。居るのはバクチク５人とヒデと私――これじゃ
いつもの酒呑み日記じゃん。あ、またマグミが居る。暇なのか？ 「わ−は−は−は−。そう」。
レピッシュは大丈夫なのだろうか。そこにヨシキが 『やまだかつてないＴＶ』の録りを終え、
巨大な花束を持って登場、「ブルーノは？」「帰った」「俺は一体何なんだあーっ」。ぶぶ。
君の単行本の撮影の時、いつも我々は同じような想いをしたのだよ。ふふ。

　3月l4日土曜日 金沢・おでん屋→同・変なパブ (キリンレモン(6) ピール(10) カシスソーダ(4)　バーボンソーダ(6) プランデー(1)本)。
　ライヴ終了後、取材がてらブランキーとおでん屋に。浅井と達也は2日連チャンの
深酒の後遺症により、キリンレモンしか呑めない。早々にリタイアする。一番酒が弱いはずの
照井が2軒目を付き合ってくれる。「久し振りだもんねえ」。お礼にタコ焼きを買ってあげる。俺らは高校生か？

　3月15日日曜日 六本木・打ち上げ会場→西麻布・バー（♪どかんといっぱつたっはあっ)。
　睡眠不足。過労。連夜の呑み疲れ。金沢から直行――横浜アリーナでバクチク観て、
「今日は呑まない！」と関係者に宣言して会社に戻る。原稿1本書いて深夜1時半、帰ろうとしたら
（電話マーク）が鳴る。ああ！　そう言えば井上が漏らしてた。
「締切前にミュージシャンから市川さんに（電話マーク）が入った瞬間、赤紙が来たと思うんです。
お父さんを戦争に取られて残った畑を誰が耕すんだ、って」。つづく。●