市川哲史の「31回記念スペシャル」酒呑み日記31 
♪毎度毎度のお誘いに嫌だ嫌だでホホホイのホイ、の巻 

(1月号続き)11月27日水曜日 渋谷・バー→(信濃町ソニースタジオ) 
→六本木・パブ→パブ2(はいりはいりふれはいりほー3) 
 カオス市川は、とりあえず次の店に半ば労役のように連行されるのであった。 
まずは私が居なかった打ち上げの席の状況を、バタイユ井上に訊いた。 
以下、井上の証言を私が再構成する――。 
 桜井が、先日井上宅で撮影した際につまみ食いしたカレーが 
「美味しかった」と言った事から、話は料理談義に終始した。 
ISSAYが「おでんを作るのが得意」と言うと、「ええ!? ISSAYさん 
料理できるんですかっ」と衝撃を受ける桜井。 
「匂いが1週間は残って、外から戻ってくるとローソンに来たみたいなんだよな」 
「俺ハムエッグが好きなんですけど、自分で作るとひとすじの黄色い 
涙がどうしても出来ちゃうんですよ」。不憫な桜井である。 
彼は料理が出来ない為に、家に居る時は柿右衛門の弁当を配達して貰っているのだ。 
更に飽きた場合は、ポルシェに乗ってマックのドライブスルーで 
バーガーを勝っているのだそうだ。哀しい。ちなみに未だバクチクの 
桜井敦司だとは気づかれていない。という。 
「そりゃ皆知らないフリして、後で笑ってんだよ」。ISSAY君は鬼か。 
 さて私は、今井に相変わらず「最近ちっとも誘ってくれませんね」 
と愚痴られる。言い訳1「ビクターや事務所から、おまえのアレンジが 
全部終わらないから年内レコーディングは不可能になってしまった。 
だから市川さんも今は誘わないでね、って哀願されてるのよ」。 
何も言えずに俯く今井であった。 
言い訳2「2回ほど(電話)したけど、20回鳴らしても全然出なかったぜ」 
「……妙に誰からも(電話)かかってこないから、1ヶ月も。 
おかしいなと思ってよおーく見たら、(電話)線外れてて……」。 
泣くな今井よお。泣く暇あったらアレンジしろよ。 
 そのうち例の“無限酒”“暴れ酒”の話で盛り上がり始める。 
ジャスティのリズム隊、大石と岸根も「参加したい」と言う。ありがたいこっちゃ。 
「いつでも呼んで下さい。俺ら暇だらけのドルフィン・ブラザーズですから」。 
わかる人だけ泣くか笑うかして下さい。ああ。 

 12月1日日曜日 東品川・イマジカ→渋谷・バー→下北沢・バー(マクロの決死隊酒)。 
 スペースシャワー2周年特番「ゲバゲバQ」の生放送現場に行く。 
要はクイズ番組なのだが、構成作家は私なのである。司会にいとうせいこう、 
解答者はすかんち、ステャダラパー、ちわきなおみ、ゼルダ小澤亜呼、 
立花ハジメ、クスクス、バイセク等々いろいろ居る。 
しかもスタジオ自体がパーティー会場化しているので、出演者はひたすら 
呑んで食っている。出演予定無しのデルジや岡野ハジメまでちわきと共に 
呑んでいるぞ。「いいじゃねえか別に」。開き直るなよISSAY。 
岡野さん、横で黙って頷かないように。 
 しかし皆必死である。賞品は優勝チームの総獲りで、ジェットスキーに 
モニターTV等々豪華なのだから仕方あるまい。第1回優勝の小澤は 
「今年は問題が難し過ぎるのよ!」、ちわきは「黒人音楽とワールド・ミュージックの 
ジャンルはやめて!」とケチをつける。俺に言うなよ俺に。 
 私は寺西&小畑のすかんちチームのテーブルに陣取って、勝ち進む秘策を伝授する。 
番組の冒頭から「ロックンロール!」と叫んでしまった暴れ者と化した二人を見て、 
私と武内は既に敗戦酒を呑みまくっていたのだが、なんと逆転逆転で予選突破の 
決勝戦進出である。正解した問題が漫画やアニメ関係ばっかりというのが虚しいけれど。 
一喜一憂、大暴れする武内と私であったが結局惜しくも2位、賞品を 
叩き売って現金化し、山分けする野望は儚く散った。呑むぞ畜生。 
ちなみに暴れる我々の横でスーパーイントロクイズの答えを必死でグチグチ 
言ってた予選落ちバイセクのデン&ナオの姿が、より虚しさに拍車をかけたのである。 
笑ったのは、「真木蔵人の父親は誰?」という問題に、堂々と 
「真木ひでと」と答えたバイセクもバイセクだが、「おいしいなあ、何で自然に 
これだけ笑いが取れるねん」と真剣に悔しがっていた寺西の姿であった。 
あお、紙に「小沢出てこい! 小山田が仕事無くて泣いてるぞ」と大書きして 
カメラの前に差し出していたスチャダラが、場内の大絶賛を浴びてたのは 
今更説明するまでもない。 

 12月8日日曜日 渋谷・NHKホール→同・パブ 
(はいりはいれふれはいりほースペシャル)。 
 1時間半遅れの開演という、例によって掟破りのXオーケストラ共演ライブ終了後、 
楽屋打ち上げに顔を出す。大人数がごった返す中、私はヒデと床に座り込んで 
ライブの反省会をする。「絶対次の店来てね」。足に金属製の罠が食い込む音がした。 
タイジと話していると中年夫婦がやって来て、おっさんの方が 
「いやー、タイジさんのファンでのう」と盛り上がりまくって記念写真を撮っていく。 
「今の知り合いか?」「ヒデの親父」。何だかなあ。  
 2軒目でパタと呑む。「久し振りだなあ」「取材してくれねえからだよ」 
「だっておまえ取材嫌いだろが」「……はい」。 
やがてヒデも合体してエアロやペックのボックス発売の話で盛り上がっていると、 
タイジとヨシキも合流。皆がどんちゃんやっている一角で、5人で今日の反省会と化す。 
私が問題点を提起し、皆で「あーでもないこーでもない」と言ったら 
「1回しかリハ演ってなくてこれだけ出来りゃ、俺達は凄いなあ」 
と能天気なヨシキ。無視して反省会を続けていたら、ヨシキが叫ぶ。 
「たまには褒めてよ! 音楽評論家のくせに」。嫌だ。 

12月10日火曜日 九段会館→新宿・居酒屋→居酒屋2→居酒屋3 
(♪はいりはいりふれはいりほーはいりはいりふれほっほっー大きくなれよ丸大ハンバーグー)。 
 デルジベットの打ち上げである。私は楽屋打ち上げに少し顔を出して、 
一旦会社に戻って原稿を書く。桜井と今井の楽屋は既にもぬけのカラで、 
その頃新幹線で大阪に向かっているのであろう二人の打ち上げに出れない怨念が、 
部屋中にたち込めていたのだった。 
 一次会に遅れて合流すると、既に阿鼻叫喚の巣なる宴会と化してて、 
よくわけがわからない。ステージで桜井の愛撫攻撃に身を委ねていたISSAYは 
「敦司に任せていたらああなっちゃった」と、何事も無かったように 
つくねを食っている。人生とはそういうものである。二次会では岩永凡、 
exゼルダの石原富紀江と一緒に呑む。凡は1月にGDのリズム隊&ISSAYと 
バンドを組んでライヴをやるらしいのだが、何と無茶苦茶な組み合わせなんだろう。 
富紀江ちゃんはマヒトに借りたCDを返す為に来たらしく、人のライヴ及び 
打ち上げを待ち合わせに利用するとは偉い。ゼルダの懐かしい話をする。 
一番悲惨な思い出は、「ライヴで客席に降りて弾いてたら数人の客に 
ギターを嘗めまくられた」事らしい。恐るべし、オタクゼルダ野郎。 
 最後に今井&桜井のその後を――無念の大阪入りを果たした阿名は、 
何故か他のメンバー共々布袋寅泰の打ち上げに合流。結局朝9時半まで呑んでいたという。 
「だったら朝まで東京で呑んでそのまま大阪に行っても変わんなかったんじゃないのか?」 
「ええ……周りが安心したかっただけなんじゃないですかねえ」。 
そうだと思う。 

●第1回目から30回までの酒量総計 
ビール 345本(内コロナ 14、タイビール 1)…測定不能1回 
生ビール 13杯…測定不能1回、酎ハイ 20杯、焼酎お湯割 3杯 
カクテル 22杯、紹興酒 1本+6杯、真露 2杯 
ワイン 2L 3 2/1本、日本酒 23杯、冷酒 4杯 スコッチ 1本 
ウィスキー 2 2/1本(内メコンウィスキー1)、21杯 
バーボンボトル 25本…測定不能 1回、∞4回、バーボンソーダ10杯 
バーボンロック 236杯、ジンジャーエール 2杯 キリンレモン 1杯 
正体不明のひたすら甘国籍不明酒 1 変な酒 1 
大量の♪〜紅〜茶のお酒を 1回 その他不明の無限酒 24回 
はいりはいりふれはいりほー 3回 未遂 3回 

●登場回数 
今井寿 27、樋口豊 18、桜井敦司 16、星野英彦 14 
ヤガミ・トール/ヨシキ 12、武内志磨 9、ドクター田中/中村美紀 8 
ヒデ/五十嵐美貴 7、パタ/小畑ポンプ 6、ISSAY/タイジ/ローリー寺西 5 
下山淳/YOU/広石武彦/岩永凡/角田美喜/仙波さとみ 4 
マグミ/小山清史/トシ 3 

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